ふるさと納税はやった方がいい?

ふるさと納税について、興味はあるけどよく分からないので一歩踏み出せていないという方は意外と多いように思います。

<よくある疑問>

・興味はあるけど、面倒な手続きが必要なイメージ・・・

・結局どのくらいお得なの?

・税金はいつごろどんな方法で還ってくるの?

このコラムでは、できるだけシンプルにふるさと納税のしくみをお伝えしていきます。

【コラムニスト】

 ファイナンシャルプランナー 三井明子

●ふるさと納税をすると税金が安くなる!

ふるさと納税をすると、寄付した金額の2,000円を超える部分については、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。

寄付したお金から2,000円を差し引いた金額が税金から引かれるので、それだけだとメリットが無いように感じますが、寄付金額に応じて「返礼品」が受け取れるので、2,000円以上の価値のあるものがもらえれば、お得ということです。

ふるさと納税で寄付したお金の使い道を指定することもできるので、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付して経済を回していきましょう!

●寄付上限額のめやす

ご年収によって、自己負担額が2,000円を超えずにふるさと納税できる「寄付上限額」は変わります。

下記表は目安ですが、上限を超えて寄付した場合は自己負担となるので、ご注意ください。

ご自身の正確な寄付上限額を知りたい場合は、ふるさと納税ポータルサイトで詳細シミュレーションができますので、ご家族構成や他の控除の有無などを入力しチェックしてみてください。

なお、お子様がいても中学生以下(16歳未満)であれば、控除に影響しません。

また、共働きご夫婦(配偶者の給与収入が201万円超で、所得税・住民税が課税されている場合)は、それぞれ寄付することができます。

ご夫婦で年収や寄付金額を合算するわけではないのでご注意ください。

●ワンストップ特例制度を使えば手続きは簡単!

下記の3つの条件を満たす方は、「ワンストップ特例制度」を使えるので、確定申告をしなくても税金の還付や控除を受けることができます。

<ワンストップ特例制度を使える条件>

(1)もともと確定申告をする必要のない給与所得者等であること

(2)1年間の寄付先が5自治体以内であること

(3)申し込みのたびに自治体へ申請書を郵送していること


次の方は確定申告が必要になりますので、ご注意ください。

 ●高額医療費がかかり、医療費控除を受ける方

 ●住宅ローン控除を受ける1年目の方で確定申告が必要な場合

 (2年目以降は年末調整で控除できるので、ワンストップ特例制度を利用できます。)

 ●不動産や有価証券・会員券などの売却益や譲渡益などがあった方

●税金はいつどうやって戻ってくる?

確定申告した場合は、所得税から還付されるので指定の口座に振り込まれますが、ワンストップ特例制度を使った場合は、翌年の住民税から控除されます。

振込が無いので、税金が安くなっているか実感が無いという方もいらっしゃいますが、毎年会社で受け取れる、細長い紙に書かれた住民税の決定通知書で確認できます。

ふるさと納税をされている場合は、左下の「摘要」という欄に、住民税がいくら控除されて安くなったか記載されていますので、ご確認ください。

ワンストップ特例制度を使ってふるさと納税を行う場合は、「寄付上限額の範囲内で来年の住民税を前払いしておくと、自己負担2,000円で色々な返礼品がもらえる」と理解すれば分かりやすいでしょう。

クレジットカードで寄付すれば、カードのポイントやマイルも貯まるので、よりお得ですね。

●ありがちな失敗例

これだけはやらないで・・・という、よくある失敗例とリカバリ方法をまとめました。

(1)ワンストップ特例制度の申請書を出し忘れた

同じ自治体に寄付した場合でも、返礼品が届くたびに申請書の提出が必要です。

提出期限は寄付した翌年の1月10日必着!ですので、忘れないように提出しましょう。

<リカバリ方法>

出し忘れたり、期限に間に合わなかった場合は、確定申告を5年以内に行えば大丈夫です。


(2)専業主婦である妻のクレジットカードで寄付してしまった

所得税や住民税を納めていない場合は、税金の還付や控除は受けられません。

寄付控除を受ける方と決済をする方は同一である必要があり、そうでなければ「寄付金受領証明書」は有効となりません。

<リカバリ方法>

お申込みをされた方が合っていれば、その方の名前で「寄付金受領証明書」は発行されるので、確定申告をすればそのまま控除されるケースがほとんどのようです。

本人名義・本人口座以外のクレジットカードで決済をしてしまった場合は、受領証明書等が発行など寄付手続きが進む前に、速やかに寄付先の自治体にご相談ください。


(3)確定申告はしないと思って「寄附金受領証明書」を捨ててしまった

ワンストップ特例制度を使う場合は、「寄附金受領証明書」は使わないのですが、思いがけず病気やケガで医療費が高額になったり、株や不動産の売却益が出るなどして確定申告をすることになる場合もありえます。

したがって翌年きちんと税金が還付または控除されるまで「寄附金受領証明書」はきちんと保管してください。

<リカバリ方法>

各自治体で対応が異なる場合がありますが、寄附受付番号などが分かれば、再発行してもらえることが多いようです。

●とにかくふるさと納税してみよう!

何事も、習うより慣れろです。

下記のステップで少しの金額からでも始めてみて体験してください。

<ふるさと納税をはじめる5つのステップ>

(1)ふるさと納税ポータルサイトを選ぶ

ふるさと納税ポータルサイトは色々ありますが、寄付した合計額が分からなくならないように、一つのサイトを使うようにしましょう。

「ふるさとチョイス」「さとふる」「ふるなび」など・・・ご自身が使いやすいと思ったところで大丈夫です。

(2)寄付上限額を確認する

ふるさと納税ポータルサイトに、寄付上限額をチェックするページがあります。

家族構成や他の控除の有無などを入力できる詳細シミュレーションがお勧めです。

(3)返礼品(寄付金額と自治体)を選んで寄付する

寄付上限に注意しながら、寄付する人の名義のクレジットカードや口座振替で寄付してください。

ワンストップ特例制度を使う場合は、5つの自治体まで寄付できます。

(4)返礼品が届いたら

申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)を忘れずに提出!

同じ自治体でも寄付するたびに提出が必要。翌年の1月10日必着!

不備があると戻ってくるので、お早めに・・・

(5)税金の還付や控除を確認する

住民税の決定通知書の摘要欄で正しく控除されていることを確認しよう!


今回のコラムはここまでですが、いかがでしたでしょうか?

一度やってみると簡単なことが分かりますので、ぜひやってみてくださいね。

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